2010年08月22日

吉原散歩と寄席デビュー

友人夫妻が吉原に引越したのは去年だったでしょうか。
なかなか行くタイミングが合わずにいましたが、
ようやく遊びに行ってまいりました。
吉原という地名はもうありませんが、
昭文社の地図で見ると、観光名所・施設等に使う赤字で
しっかり『吉原』と書かれています。
友人宅は吉原の外れの方ですが、
向かいにはしっかりソープがあります。
それを気にしなければ、車の騒音もない大変静かな住宅街です。
近所を散策してみると、
喫茶店とは違う雰囲気の喫茶店をちらほら見かけます。
どの店も共通して言えるのは、
珈琲が500円であること、店名が喫茶店らしくないダサめのネーミング、
店内が見えにくいなどが挙げられます。
友人に聞いてみると、これは風俗の情報喫茶だそうです。
ここでどの店がいいのか、どんな娘がいるのかをリサーチして、
店を見つけるのだそうです。
つまり吉原インフォメーションセンターでした。
なるほど。
勉強になりました。
この日は息子連れでしたので、吉原のど真ん中に行くことは控えましたが、
次回、息子なしで、吉原大門方面を散策したいと思います。
さて、吉原を後にして、向かった先は浅草ホッピー通りです。
こちらで、『浅草を浴衣でぶらりツアー』の皆様と合流しました。
わたくしと息子以外は皆様浴衣。
風情もへったくれもなくてすみませんでした。
ホッピー通りで軽く飲んでから、浅草演芸場で寄席を見ることになりました。
息子に寄席はわからないだろうと思い帰ろうとしたら、
息子から「見たい!」とリクエストが入りました。
入場料払って、面白くないとか帰りたいとか言われたら
たまったもんじゃありませんから、
大人しく見ることを約束させ、見ることにしました。
さあここでパッカーメンバーの腕の見せ所です。
寄席終了まで1時間半であること、
大人7名+幼児1名の大人数であることから値切りました。
そしたら受付の方が快く割り引いてくださいました。
こういうところでも値切り交渉は有効だったのですね。
だてに今日のメンバー、世界放浪をしていません。
インドのリキシャに数ルピーをまけてもらう以上の金額でした。
息子とわたくしは前から3列目くらいに座ります。
この日のテーマは男と女の恋愛沙汰。
場所が場所だけに吉原の話がありました。
すでに始まっていた落語を聴きながら、息子が笑っています。
笑いの場所も間違っていません。
落語のオーバーな言い方がはまっているようです。
落語よりも漫談の方が大爆笑で、
演者も大喜びして、舞台から息子に話しかけてくださいました。
「小さい子に笑ってもらえるとは嬉しいもんだねえ。
 やる方にも張り合いが出るよ。お嬢ちゃんいくつだい?」
やはり女児に間違えられました。
髪型が悪いのか。
漫談の後のマジックも、息子にはとても素晴らしい催しで、
結んだはずの紐がはらりと解ける様子や、
何も入っていない紙袋から次々と大きな箱が出る様子が
不思議でたまらなかったようです。
落語の合間合間に、息子の目が覚めるような出し物があるので、
全く退屈せずに見終えました。
最後の幕が下りると、
「あー、面白かったねー!」
と会場中に聞こえる声で感想を言う息子が
少し誇らしく思えた日でした。

2010年08月10日

自転車で55km

長文です。
去年の夏から企んでいた『輸入高級自転車を借りて新潟を回ろうツアー』
ついに実現しました。させました。
6月のエガちゃんライブで帰省した時に、
実家の母に息子を1日預かってとお願いしたら了承してもらえたので、
夏休みに帰って即行自転車の予約手続きをしました。
丁度古町に行く用があったので、
直接スマートクルーズに申し込みに行きます。
店内には自転車がずらりと陳列されておりまして、
どれにしますかと言われてもどれがいいのか素人にはさっぱりわかりませんので、
どれがいいのか聞いてみました。
オススメされたのがコチラ。

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BianchiのPasso
これだと150cm台の人でも乗れるそうです。
なのでこれを借りることにしました。
予約の手続きをしながら、
店内にいた老年のお客さんとちょろっとお話ししてみると、
その方は70歳過ぎてから自転車を乗り始めて
現在ハマっている最中だそうで、
「今日はまだ25kmしか走ってない」
だそうです。25kmしかって。
予約日当日。
それまで毎日30度以上だった新潟が、
この日に限って今にも降り出しそうな曇天。
これは一日借りても雨で乗れないかもしれないと思い、
3時間のレンタルに変更するつもりでスマートクルーズさんを訪れました。
「おはようございます!今日は絶好の自転車日和ですね!
 太陽が出ていたらきついけど、今日は大丈夫!」
初っ端からわたくしの思惑と正反対の対応のスマートクルーズのTさん。
わたくし「でも雨が降りそうなんですけど・・・」
Tさん「大丈夫じゃないですかね。
     まあ私達自転車乗りは、雨も気にしませんけどね!
     雨でも乗ってますよー!」
わたくし「あはは。大丈夫ですか。そうですか」
自転車乗りの勢いに負けて、
3時間レンタルを言い出すことができない小さいわたくし。
しかし、結果としてこれが正しい判断になりました。
自転車乗りと船乗りの言うことは聞くもんです。
「今日はどちらに行かれるんですか?」
「巻のカーブドッチまで行こうかと」
「あそこなら片道25kmですね。行けますね」
あっさり行けると言われました。25km。
25kmってやっぱり『25kmしか』なんだ。
以前、チリのプコンで50kmのサイクリングをしたことがありましたが、
あの時はメンテナンスもクソもないひどい状態の自転車で行ったものですから、
帰路で臀部に激痛が走り、立ち漕ぎしていました。
しかし今回は自転車の質が月とスッポン並みに違います。
そして8年前のわたくしの体重も違います。
勿論増加。
今回の尻の具合はどうなることやら。
自転車にはサイクルコンピューターが搭載されているので、
走行距離、時速、平均時速などが計測できます。
今日はこれで何km走るのか、時速何kmでるのか
計測してみたいと思います。
始めに向かうは、旧巻町(現新潟市)にあるカーブドッチです。
本当はエチゴビールに行きたかったのですが、
パブは土日祝日のみ営業でして、断念せざるを得ませんでした。
代わりにカーブドッチです。
こちらはワイナリーでして、
つか元々ワイナリーのはずだったんですけど、
いつの間にやらパン屋、ジェラート屋、レストラン、ウェディング、ビール、
ソーセージ、スパなど、帰省する度に規模が拡大しています。
今では三越や、SWEET HOME STOREほんぽーとにも店舗が入っています。
ちょっとここで話は脱線します。
新潟でパン屋がすんごい増殖しているんですが、
美味しそうだわと食べてみると、普通なんですわ。
見た目は美味そうなんだけど、味は普通。
不味くはないけど、普通。
姉の近所の激混みパン屋も普通の味。なのに大人気。
西川の方にあったアフリカンベーカリー・ナミテテも、普通。
ナミテテはアフリカンベーカリーという名前に惹かれて入りましたが、
「アフリカのパンってうまくねーよなー」という印象しかなかったので、
どんなパンがあるのかと思いきや、
普通のパン屋とさほど変わらないセレクションでした。
マンダジはあるようでしたが、この日は見かけませんでした。
でもここは、店の作りは素敵です。
カフェも併設されており、ドッグランもあるので、
車社会の新潟では人気がある店かもしれません。
この話を仲良しのパン屋さんにしたところ、同意見でした。
「あんな不味くて高いパンがよく売れるよなー。
 あんな高いのをどうしてみんな買うんだろう」
某店のことなんですけど、
店の雰囲気とか、天然酵母を売りにしているとか、
統括会社のブランディングが良くできているとか、
そういうのがナチュラル系の方々にウケているのではないでしょうか。
味は普通だけど。
店に入った瞬間、パンの香り、酵母の香りでここがどこなのかわかる店は
新潟では2軒しかありません。
わたくしの中でですけど。
目を瞑ってもわかる香り。
そういうのが他店にはない気がします。
つまりどこも似たようなパンだと。
話を戻します。
でだ。
カーブドッチに向かう進路としまして、
交通量が少なく、道路を走れる道はと言いますと、
日本海夕日ラインです。
ここの国道402号をひたすら走ります。
関屋分水を超えた所から車道をひた走ります。
しかしこの道路状態が悪いのなんのって。
すぐ横が砂浜ということがあって、
海風と一緒に吹かれた砂が路肩に溜まっていました。
そして全然手入れされていない防風林側の雑草が路肩に侵食してきていて、
枝も落ちているもんだから、危ないことこの上ないのです。
隣は車がビュンビュン飛ばしているし。
車に轢かれないように慎重に運転していたと思いますが、
行きも帰りも自転車通行量がゼロだったこの夕日ラインを走る車にとっては、
「こんなとこで自転車なんか乗ってんな」だったかもしれません。
重苦しい灰色の空しか見えない小針浜を通り過ぎ、
延長された402号を五十嵐浜から曲がると、
「『しんだい』と言ったら新潟大学だろ」
「いや、信州大学でしょ」
「あほちゃうか。神戸大学や」
という論争のある新潟大学の五十嵐キャンパスが見えてきました。
アパートや一軒家の町並みはすぐに終わり、
新川を超えるとここから民家がなくなっていきます。
再び車しかいない海岸沿いを走ります。
途中、佐潟の看板を目にして
寄ろうかどうしようか一瞬迷いましたが、
とりあえず距離が距離なので、ここは初志貫徹でカーブドッチオンリーです。
収穫が終わり、廃棄処分となった分のすいかの腐敗臭をかぎながら、
ひたすら漕ぎます。
ここで最高時速35km/hが記録されました。
このメーターはとても便利ですね。
長い道距の果てに辿り着いた先は、一面のぶどう畑でした。
これが全部ワインになるのですね。
しかしながらわたくしはビール党。
美味しいフレンチをワインで楽しむよりも、
ソーセージとビールのタッグの方が好みですので、
まずはビールだ。ビール。
ビールを飲むために25km漕いできたんだよ。
店前に自転車を止め、自家製ソーセージとビールのレストラン・薪小屋に入りました。
「開店は11時半からなのですが」
開店前でした。
カーブドッチについてから小雨もぱらついてきたので、
同じ敷地内にあるジェラート屋で時間を潰すことにしました。
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ミルク
店内でジェラートを食べていると、続々とお客さんが入ってきます。
ランチを頼んだり、ジェラートを食べたりしていますが、
誰一人濡れていないところを見ると、
皆さん車でお越しのようです。
自転車なんて誰もいねえ。
本来なら〆で食べたかったジェラートを
不本意にも先に胃袋に入れてしまいましたが、
そんなことはすぐに脳内リセットして、11時半きっかりに薪小屋へ。
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こちらが薪小屋
新潟の山奥に住んでいるドイツ人建築士・カールベンクスさんの手によって
再生された古民家レストランです。
中でソーセージ作りとビールの醸造を行っています。
古民家についての詳細はリンク先を見てもらうことにいたしまして、
まずはいただきます。
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ゴールデン
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ブラウン
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ソーセージの盛り合わせ
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プリップリのソーセージ
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カーブドッチには猫がたくさんいる
猫かわいいなあ。
どうして猫って可愛すぎるんだろう。
一日猫と戯れたい。
そんでもってソーセージの美味いこと美味いこと。
口に入れてがぶりっ、ぱつんっ、じゅわっですわ。
ソーセージっていいよね。
燻製っていいよね。
薪小屋に関しては以上です。
食べるもんも食べたし雨が本降りにならないうちに帰るとしますか。
その前に敷地内の温泉にでも入ろうかしら。
でもスパの日帰り温泉で汗を流したとしても、
また帰りの25kmで汚れることを考えて、
つか10時までの入浴が500円で、それ以降が1,000円という設定も腑に落ちず、
じゃあ今度朝限定で来るかということで入るのをやめました。
帰りの道。
自転車に座った途端、尻に激痛が走りました。
8年前のあの痛みが蘇りました。
帰りは丸々25kmもあるのに、この尻痛で無事古町まで帰れるのか。
それでも時々自転車から降りて尻を休ませながら、気合だけで漕ぎました。
雨も一時期激しく降って、雨宿りをしながら見慣れた町に戻ってきました。
途中、昔の職場にも顔を出し、
自転車でカーブドッチに行ってきた話をしたら、
「はあ?おかしいんじゃないの?」
「相変わらずだね」
「あそこは車で行くもんだ」
久しぶりに会ったというのに散々な言われようでした。
この時点で夕方です。
自転車の返却時間が刻一刻と迫ってきています。
すでに尻の痛みが相当限界にきているので、
雨と埃で汚れきった体をスーパー銭湯で休めることにします。
ここでの泡風呂による尻マッサージが功を奏して、
尻痛も緩和され、さあ最後のひとっ走りに行きますかと外に出ると、
土砂降りでした。
これは無理。
こんな日に自転車でスーパー銭湯に来ている客はわたくし一人で、
ここでも皆さん当然車。
雨なんか関係なく車で帰っていかれます。
20分くらい待っても止まないので、
「雨止まねー」と元職場の同僚にメールしたら、
車で颯爽と現れ、100円ショップでカッパを買ってきてくれました。
持つべきものは友です。
面倒を見てくれる良き友人です。
独身美女です。彼氏募集中です。
落ち着いた雰囲気を持っていて、話も面白いです。
気になる方はコメント欄かメールでどうぞ。
カッパを着て最後のひとっ走りの目的地はサンキです。
ここで布や裁縫の副材料を買い込むのです。
この数日前に、友人宅に遊びに行ったついでに
近所の別店舗のサンキに寄ったのですが、
布が異様に安くて大興奮。
しかしこの店は衣料品の占有率が高く、
「布を買うなら新和店。ファブリック館が独立しているからいい」
と母に言われこちらに行くことにしました。
閉店時間間際に行ったので20分くらいしか見れませんでしたが、
母がすすめるだけのことはありました。
ここではセール品のポンポンテープを買い込みました。
とっぷりと日も暮れ、雨も少し降っている中、
ようやく自転車を返しに最初の古町に戻りました。
返却時間が19時を過ぎると、別店舗に返却することになります。
その別店舗はDr.可児&Frau Evaでした。
名前がドクターという名のレストランです。
名前にまつわる由来はコチラのインタビューがいいかも。
こちらは昔からあるお店でしたが、入るきっかけもつかめずにここまできました。
すぐ傍の福助の方が入りづらい雰囲気なのに
行ったことがあるのは何故でしょうか。
そんな感じで今日この機会を逃したら二度と入店することはないような気がして、
ここで夕食をいただくことにしました。
というのも看板にメニューに書いてあった生スワンレイクビールという文字が、
わたくしの背中を押してくれたのですが。
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スワンレイクビールうまー
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付け合せはオススメのローストポーク
今日一日走りきって疲れた体にスワンレイクビールが染み渡ります。
咽頭から胃袋に入り、そのまんま血液、リンパにビールが流れ込んでいる感じです。
このビールのために、今日わたくしは自転車を漕いできたのですね。
ああ、今日は自転車で走ってよかったよ。
心からそう思えました。
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靴とバッグのカラーを揃えてみた
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55km完走