2009年12月01日

からすみできました

今は無き戸塚市場の魚屋さんのからすみが食べたくなる季節になりました。
からすみとは食べたくともそう簡単には手が出せない値段の代物です。
ですから戸塚市場のからすみは貴重な食体験だったと言えましょう。
買えないのなら何とか自分で作れないものか。
ということで、これまで酵母をおこしてパンを焼いたり
アンチョビ、ザワークラウトシードル、パンチェッタなども作ってまいりましたが、
新たにからすみにも挑戦することにしました。
今回のからすみの作り方はネットで調べましたが、
現在発売中のdancyu1月号にも作り方が載っていました。
では作り方をざっと書いておきます。
本来からすみはぼらの卵巣で作りますが、
そんな高い物は手に入らないというか買えません。
こんな値段です。参考までに。
ですのでスーパーで売っていた鱈子で代用してみました。
もっと大きな卵が手に入ればいいのですが。
【血抜き、塩漬け】
表面についている血管の血を抜きます。
鱈子はぼらのように大きくはないので、簡単に済ませます。
その後たっぷりの塩をまぶします。
塩に埋めるくらいの気持ちで。
すると1日でたっぷり水が出てきます。
出た水はその都度捨てましょう。
1週間くらい漬けます。
karasumi01.jpg
塩漬けして4日くらい。こんなに水分が出ました
【塩抜き、酒漬け】
塩漬けした鱈子は水分が抜けて硬くなっています。
これを2時間程水に漬けて塩抜きします。
その後日本酒に1週間漬け込みます。
【天日干し】
天気が良くなかったので2日間ピチットで脱水しました。
その後晴れた日に干し網に入れて、朝から日が陰るまで天日干しにします。
1週間前後が目安です。
karasumi02.jpg
春に買った網がようやく陽の目を見ました
karasumi03.jpg
干して3日目。内側の水分がまだ抜け切れてない
karasumi04.jpg
奥の小からすみは一足先に出来上がり
karasumi05.jpg
干して5日目。ついに完成
小さいからすみを先にいただきました。
かなり硬く小さいので、薄くスライスするのも一苦労です。
karasumi06.jpg
大根と一緒に
炙るのを忘れましたが充分からすみの味でした。

2009年11月12日

梯子は梯子

BRUTUSの674号の特集に、安藤忠雄さんの事務所が掲載されていました。
安藤忠雄と言えば泣く子も黙る建築家ですが、
これがなかなかユニークな人物のようです。
こちらの事務所ルールとして、メールは禁止、FAX禁止、
用件は電話、もしくは直接会えばよろしい。BGMもなし。
電話は5台並べてあり、誰が何を話しているのかが
スタッフ全員にわかるようになっているそうです。
ここまでは「へー」くらいで終わるんですが、
ここから先は「へー」では終わりませんでした。
事務所には1階から5階までをぶち抜いている梯子があります。
それとは別に階段もあるのですが、
スタッフは全員梯子を使うのだそうです。
資料や模型を持っていても梯子を上り下りするのだとか。
それについての安藤さんのコメントです。
「ハシゴとも言いますが、真っすぐの階段。驚くようなものでもないですよ。
 これも階段ですから。真っすぐの。速いし肩凝りにもいい(笑)。
 ぶらさがり健康器を買わなくてもいい」
いやいやいや。
どう見ても梯子だろう。
これを真っすぐの階段とか言い放つあたりに驚くんだって。