Home > 8月 17th, 2008

2008年08月17日

歌の魔法

今日は近所の住民3人が集まり、カラオケに行って参りました。
別の集まりからも花火大会とその後の飲み会に誘われたのですが、
今日は台風が来ようが、隕石が落ちようが、
北京五輪であちゃーなニュースが上がろうが、
何が何でもカラオケの気分だったのです。
近所の住民の1人、うら若き乙女が「今週は腐っていたから歌ったる!」というので、
これは行くしかないとなりまして、
もうひとりロックな方をお誘いしましてのカラオケです。
前回行ったカラオケでは散々酒を飲んだ後だったので、
無謀にもガンズやらツェッペリンやらを歌いました。
しかし今日は水割りのようなビールを飲んだので、
全く酔いません。
ということで激しい曲は一切なし。
乙女は「ストリートファイターの歌がないっ!!どこいった!!」と
血眼に流していますし、
ロックな方は後半はガンダム系を歌ってる系でした。
アニメ主題歌が多かった中で、ジャックスの歌が流れてきました。
若かりし頃、ジャックス好きの人と仲良くしておりました。
ジャックス以外にも遠藤賢司頭脳警察など、
自分が生まれる前の音楽に没頭している人でした。
その部屋にはレコード、CD、ビデオ、本で埋め尽くされており、
その山積みされた物の間で寝ているような状況でした。
この人は豊かな暮らしとは対極にある生活を営んでおりましたが、
節約して貯めたお金は音楽や芸術モノに費やしていました。
そのおかげで部屋の中は、見る人が見れば宝の山です。
壁に貼ったチャールズ・ブロンソンのポスター、
生前のサルバドール・ダリが拝めるビデオ、絶版漫画もザクザクありました。
そんな彼に怪談人間時計をプレゼントしたことも
今では懐かしい思い出です。
彼は洋楽にも大変造詣が深く、ようはマニアなんでしょうけど、
この人のおかげで今のわたくしがある部分が大きいです。
あの頃は話しても話しても話題が尽きず、
話しても話しても時間が足りず、
話しても話しても疲れませんでした。
映画、音楽、絵画、漫画に浸かりながら、
わたくし達だけ存在していたような感じすらしました。
その頃の妙な浮遊感を感じながら聴く10年ぶりのジャックスは、
何か重い塊をわたくしの中に残しました
早川義夫も年を取れば、わたくしも彼も年を取るし、
いつかはこの世からいなくなる。
でも歌は変わらない。
カラオケの帰り道、
いつものように酔っぱらった人がいる光景とは違う静かな街を1人で歩きました。
街灯にはアブラゼミが鳴きながら必死に飛び回っています。
土の中に6年いて、地上に出て1ヶ月で死んでしまうセミ。
誰もいない道で見る夜のセミが、何故だか自分に見えました。
そして黒いモヤモヤしたこの気分を消し去るために、
バーの扉を開けました。