2005年09月01日
舞台女優現る
近所の仏壇スーパーに行って参りました。
会計しようとレジの方へ足を運ぶと、女性の大きな声がしました。
誰かと話しているようです。
「私絶対許さないわよ!」
子供の泣く声がするので、
子供を叱っている母親の声かと思いましたが、
泣いている子供は別の人の子供でした。
それではこの大声の人は誰と喋っているのでしょうか。
大声の主は、まあまあきれいめのマダムっぽい40歳くらいの女性でした。
4台あるレジの前を、ストレスの溜まった熊のように、
何度も何度も往復しています。
そして、芝居の稽古のような張りのある声で怒っています。
かなりオーバーな手振りを交えながらですので、
ますます舞台女優っぽく見えます。
「色んな人がいるわよね~。オレンジのシャツ着た人、緑の服着た人、金髪、子供連れ。
私もこのスーパーに7年通ってるのにこの仕打ちよ!絶対許さないわ!
権力には屈しないわ!ええ、決して!」
あまりにペラペラ喋っているので、本当に芝居かと思いましたが、
周囲にカメラは見当たりませんでした。
そこで気弱そうなレジの店員さんに聞いてみました。
「アレ何ですか?」
「あー・・・。前は大人しい方だったんですけど、精神的にどうかなっちゃったみたいで。
前はあんなじゃなかったんですけどねえ」
「毎日来るんですか?」
「よく来ますね・・・」
「芝居か何かかと思いましたよ。はっはっは」
「そう思われましたか。ふふふ」
和やかに聴き取りが成功しました。
これで毎日スーパーに行く楽しみができました。
わーい。
会計が終わると、喋り倒してすっきりした舞台女優が帰るところでした。
スーパーから出ると、電柱に繋いでおいた犬畜生(ミニチュア・ダックスフント)を連れて、
颯爽と去っていきました。
ここでデジャヴが起こりました。
何か見たことのある犬と女性だと思ったら、
スーパーに来る前に通りがかった神社で見かけたことに気がつきました。
子犬を連れたマダムが、大きな声で何か話しながら神社に入っていくのを。
てっきり子犬に話しかけてると思いましたが、
あれはスーパーへの文句がすでに始まっていたのかもしれません。