2005年07月28日
開かずの古本屋
早稲田界隈は、古本屋がたくさんありますが、
開かずの古本屋もあります。
その店は9割の確率で開いてません。
昼間だろうが、平日だろうが閉まっています。
あまりにも開いてないのが日常的になっていたので、
時々開いてるのを見ると、どうしたんだろうと心配になるくらいでした。
普通は逆なんですが。
最初、この古本屋を見た時、何の店かわかりませんでした。
手書きの温かみのあるシャッターに閉ざされたお店。
店の前のオブジェは、火鉢、七輪、金属製のふくろう、狸のぬいぐるみ、
シャッターと同じ画風のポスト。
雑貨屋と思っていましたが、『古本』の看板がありました。
ガードが固い門構え
軒先に火鉢が置いてあります
ポストがあるということは空き家ではないと
狸も見守っています
この黒板がないと何屋かわかりません
ほう。古本屋ですか。
昼間でも開いてないのは、今日が定休日なのかしら。
じゃあ、今度開いてたら入ってみましょう。
そう思って、実際お店が開いているのを確認したのは、
数ヵ月が経っていました。
その間、ちょくちょくお店の前を通っていたのですが、
開いてない状況が続き、
「もしかして潰れちゃった?」くらいに考えていました
後日、偶然にも友人がこの店に出入りをしていて、
店番までやっているという話を聞きつけて、
ようやく店に入るチャンスが巡ってきました。
友人が古本屋に来ていたら連絡を入れるという約束だったので、
これでシャッターの開いている古本屋に足を踏み入れることができます。
それでは中に入ってみましょう。
どっさり
ちゃんと古本屋らしく天井まで本で埋め尽くされています。
やはり『古本』の看板に偽りはありませんでした。
ワイン箱で本棚を作ってます
このお店の本の品揃えは、ある分野のコアに近い物が多く、
その手のエキスパートには非常にウケがよいセレクションでした。
現にマニアな夫はよだれを垂らして言いました。
「貸してくれないかなー」
売ってなんぼの商売なのに「貸してくれ」はないだろうと思います。
買ってください。
・・・と言いながら、なじみの中古レコード屋のおじさまが、
商売物のCDを色々貸してくれたことを思い出しました。
特に恐喝した記憶はないのですが、商売っ気のない人もいるようです。
ここには本以外も販売しております。
おいしそうな手作りクッキー
我が家でも使っているパレスチナのオリーブ石鹸
とても美味しいパレスチナのオリーブオイル
この他にも、かわいいブックカバーや、
画家さんのポストカード、絵本など、色々取り揃えてあります。
店の主は『発酵食品』と『自然食品』というキーワードに敏感で、
私がパン好きだと話すと、すかさず、
「この辺はおいしい天然酵母のパン屋がないよね。どこで買ってるの?ん?」
と聞いてきました。そして、
「この本読んでみて。酵母を育ててる人の話なんだけど」
と、HOW TO 酵母の本を差し出されました。
そしてこの本をきっかけにわたくしも天然酵母パンを作るようになったのです。
パンの後も、梅干を作ったり、美味しいものを食べた話をすると、
眼をキラキラさせながら喜んでくれます。
これ以来、散歩ついでに通りがかったら顔を出すようになり、
夕食のご相伴に預かったりもしました。
それなのに本の一冊も買ったことがありません。
さすがにいつも食べ逃げで本も買わないのは今後の付き合いに影響すると思い、
オリーブ石鹸を購入いたしました。
おかげで今では麻雀の誘いを受けるまで仲良くなりました。
さてこのカフェダス、ビデオ上映会やミニ講演会、
そして2のつく日の夕方は市をしております。
天然酵母パンと新鮮な無農薬野菜が売り出されます。
低価格で美味しいものが手に入るので、
日が傾いた頃に買い出しに出かけて行くのが、
2のつく日の過ごし方です。
Book Cafe Das / 古本茶屋岩狸
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田2-16-17
TEL.03-3203-3801
月曜定休(←それ以外も定休日が多いので要注意)